「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」が酷評である。
まぁ、確かに最後があれでは、キャラに入れ上げていたファンはたまらない。
そもそもファンの間でミカヅキが、「フラグブレイカー」と言われたように、いろんなキャラが立てた死亡フラグを、次々と粉砕していく、そういう爽快感があったアニメだっただけに、結局大人たちの謀略に、なすすべなく砕け散る形だった最終回は、残念に感じたのだろう。
監督のインタビューで
「劇中の痛みが伝わり、悲しんだり悔しがったりしてもらえたということは、逆に言えば演出的にうまくいったということだと思います」
と言ったそうです。確かに喪失感や残念な気持ちにさせられたのは事実ですが、これは演出からくるものではなく、ストーリーや脚本に対してで、こういう感覚が好きな人以外は、もうダメなアニメなんじゃないかなって思うんですよね。
たぶん私も多感な10代に出会っていれば違う感じ方をしたのかもしれないけど、本当にこの作品に描かれている謀略なんか可愛くなるぐらいの、汚らしい社会の裏なんかを見てしまっている我ら大人にしてみれば、こんな中途半端なものを見せられた怒りの方が強い。
だってさ、この作品の中の人って、いわゆる裏切り者や本当に唾棄すべき汚らしい手段や言動をするキャラっていないじゃん。まだこの世の中に比べれば、優しい世界だよな。
そんな世界の中でも強くしぶとく格好良く生きられないキャラが主人公のアニメって見る価値あるの?って思う。
そう感じるのは私だけかもしれないけど。
ただ不必要に、この作品を腐すつもりはない。私には「合わない」アニメだったというだけで、批判するのも可笑しいし。
大人たちの都合に巻き込まれる不遇な子供たちが、頑張って途中までは上手くいくんだけど、それでも最後は、同じく大人たちの謀略に巻き込まれ、犠牲になって死んでいく、そんなアニメが見たい人は、おススメする。
私なら、不遇な子供たちが力を合わせて困難に立ち向かい、絶対的な力の差がある社会や大人たちを、最後には逆境を覆すような、そんなアニメが見たい。
私はそう思う。